巻東中学校で認知症サポーター養成講座を実施しました
認知症サポーター養成講座とは、認知症について正しく理解し、認知症の人と、その家族の応援者を増やす活動です。
現在日本は、超高齢社会となっていますが、認知症への理解はまだ浅く、他人の目を気にする当事者や家族は少なくないのが現状です。認知症サポーターが地域にたくさんいることで、当事者も家族も安心して暮らすことができる地域になります。警察や消防、金融機関、スーパーマーケットやコンビニをはじめとする商店、交通機関など生活に密着した業種の人たちが多数、認知症サポーターとなっています。新潟県では6月末時点で、254,246人がサポーターになっています。(総人口に占める割合は11.447%)
一方で、最新の調査では、認知症の方の行方不明者は全国で17,479人となっており、その数は毎年増え続けています。認知症のことを正しく理解し、さりげなく見守ったり、ちょっとした手助けをしたりできれば、もしかしたら、行方不明になってしまう方の数が減るかもしれません。実際に、認知症サポーター養成講座を受講した小中学生が、認知症の人が道に迷っている場面に遭遇し、家族などに伝え、行方不明になるのを未然に防いだという例もあるそうです。
巻東中学校では、総合学習の「福祉を学ぶ」という授業で、毎年認知症サポーター養成講座を実施しており、今年は3年生の82名が参加しました。例年は地域包括支援センター、社会福祉協議会などと共同で実施していましたが、今回はコロナウイルス感染対策として大人数での訪問を避け、まき福祉会の職員4人が講師となり実施しました。
講座の前半では、テキストに沿って認知症の種類や症状、手助けする時のポイントなどを学びました。後半は、認知症のまさよおばあちゃんが買い物の支払いで困っている場面の寸劇を見てもらい、認知症の人の気持ちを理解したり、どんな支援ができるか考えるグループワークを行いました。生徒さんたちからは、「レジに並ぶレーンを、ゆっくりでもいい人と急いでいる人を分けたらいいのでは」、「一緒にお金を数えてあげたらいいのでは」など、いろんな意見が出ていました。今回の講座が、認知症の方の理解を深める機会になってくれたら嬉しいです。
例年であれば、講座で学んだあとに施設へ訪問して高齢者と交流する時間を設けていましたが、残念ながら今回はコロナウイルスの影響で施設訪問は実施することができませんでした。それでも生徒さんたちは、違う形で白寿荘のご利用者と交流がしたいと、様々なアイデアを提案してくれているようです。「施設のお年寄りが普段どんな生活をしているのか知りたい」、「自分たちの学校のことも知ってほしい」、「何か手作りのプレゼントを渡したい」などと話が出ているそうで、どんな形で実現されるのか楽しみです。
巻東中学校では、毎年認知症サポーター養成講座を実施しているので、巻での認知症サポーターの数も年々増えています。巻という地域が、誰でも安心して暮らせる地域になるよう、お役に立てると嬉しいです。
認知症サポーター養成講座に関するお問い合わせはまき福祉会地域支援課まで、お気軽にお電話ください。